では、なぜそのような会社の情報が流れてしなうのでしょう。
多くの場合、情報を書き込むネット利用者の意識に問題がある場合が多いようです。
問題点として挙げられるのは、「流したらどうなるのか。」という発信側の問題意識が薄いことです。
・不特定の人に見られている危険性を認識していない
・簡単に書き込める
ことから、会社の情報を安易に流してしまう傾向にあるようです。
また、いつどこで会社のことが書かれるか分かりませんし、出所が分からない場合も 多いので、一度流れてしまった情報は、完全に削除するのは至難の業です。
・匿名性が高く発見がしにくい
・フェイスブックなど登録制の場合、発見しにくい
・一度流れると完全に削除できない(コピーや引用されたらコントロール不能)
ということから、発見までの時間がかかること、発見したときには様々な媒体により 情報が拡散し、完全には削除が難しい点が挙げられます。
社外で自分の会社を誹謗中傷するには、何か原因があるはずです。
その原因を把握することが重要であり、根本的な解決策の材料になります。
また、他にもそのような不満を持っている社員が他にもいるかもしれません。
サービス業でよく言われる「クレームは最大のチャンス」です。
表現こそ正しくありませんが、会社への改善点を指摘していることも多いのです。
誹謗中傷を言う原因を知り、または把握することで、会社の労務管理を向上させるキッカケになるでしょう。
会社の対応として「出される前に止める!」ことに尽きます。
結論から言いますと、「啓蒙・教育」するしかありません。
四六時中ネットを見ているわけにもいきませんし、それ以前にネットに情報が流れてしまったら対応が難しいのです。
・一度ネットに書き込んだら、完全な情報の削除が難しいこと
・会社の受けるダメージ(事例を挙げて、その損害を説明する)
・会社が損害を受けた場合の処罰等
を説明し、事の重大性を認識してもらいます。
その方法として
・入社してすぐに注意をしておく
・入社時に誓約書を書いてもらう
・給与改定、賞与、評価時など定期的に注意喚起をする
・就業規則に載せておく
など常に言い聞かせ、教育していくしかありません。 アナログ的ですが、この問題には特効薬はありません。 労務管理の基本ですが「常に説明し、納得・理解してもらう」のが最大のリスク管理です。
これまでに挙げたとおり、フェイスブック、ツイッター、ブログ、ネット掲示板などへ
会社の誹謗中傷や内部事情を書き込まれるトラブルや社内メールの個人的使用などのトラブルが増加しています。
その対策として、社内メールやサーバーを監視する措置を取る会社も増えています。
しかし、社内メールやサーバーの取り扱いには注意が必要です。
会社で貸与しているパソコンを会社のネットワークを使っているのだから、
会社が自由にモニタリング(監視)をすることができる。とお思いの方が多くいらっしゃると思います。
しかし、判例等では、その目的・方法に一定の注意や配慮を求めています。
判例では
~職務上従業員の電子メールの私的使用を監視するような責任ある立場にある者でも、これを監視する職務上の合理的必要性が全くないのに専ら個人的な好奇心等から監視した場合あるいは社内管理部署その他の社内の第三者に対して監視の事実を秘匿したまま個人の恣意に基づく手段方法により監視した場合など、監視の目的、手段及びその態様等を総合考慮し、監視される側に生じた不利益とを比較衡量の上、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害になると解するのが相当である~中略~
となっています。
要約するとネットのモニタリングが違法となる可能性が高いのは、
1.職務上権限のない者が監視した場合
2.監視権限がある者でも職務上合理的な理由がなく興味本位でモニタリングした場合
3.監視の事実を秘密にしたまま特定の個人をモニタリングした場合
としています。
モニタリングを行う場合、
1.社長や担当のトップまたはネットワークの責任者などに限定すること
2.何を見るのか、その目的を明確にすること
3.モニターをした情報は厳重に管理すること(言い触らしたりしない)4.あらかじめモニタリングをすることを予告しておくこと(情報処理規定などでモニタリングすることとその方法等を明記しておく)
が注意点として挙げられます。
「いつ、だれが、何のために、」等を明確にしておくことが大事です。