ルールブックである就業規則も法律に逆らうことはできません。
法律が変われば、その法律に合わせなければなりません。
就業規則を作っても、それが法律と違う場合には、法律が優先してしまいます。
例えば、「残業代は出さない」というルールを定めても、 法律で割増しなければならないと決められているので、労働トラブルになったときには、いままで払わなかった分の残業代を請求され、支払わなければなりません。
就業規則で規定されていなくとも、法律で定められている場合には、
法律に則った処遇や対応をしなえればなりません。
例えば、自社の就業規則で育児休業の規定がされていなくとも、法律で育児休業に関する法律があるので、育児休業の法律の定めに従わなくてはなりません。
「規定しないから権利がない」とは言えないのです。
平成22年度の労働基準法の改正では、割増賃金(残業代)の大幅な改正がなされました。
月に60時間を超える残業に対しては、5割増しの残業代を支払えというものです。
(平成24年度までは大企業のみ対象)
割増賃金(残業代)の改正を「知らなかった。」では済まされません。
万が一役所の調査が入った場合、役所は過去にさかのぼって正しい割増率で計算した残業代を支払うように勧告するでしょう。
役所は法律を執行するところなので、会社の事情や状況よりも法律のとおり運用するように言ってきます。
ですから、最新の法律に合わせた規則に規定することも重要になります。
労働トラブルや労働問題の内容は日々変化します。
昨今、未払い残業、パワハラ、うつ病による休職、ネットでの会社の誹謗中傷などが問題となっています。
このような労働トラブルや労働問題に対して、会社は対応していかなければなりません。
法律に合った就業規則だけでは対応できません。
「就業規則は洋服と同じ」です。社内、社外の変化に合わせて、その都度こまめに対応することが、労働トラブル回避の労務管理には欠かせません。